秋分の初候「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」は、春分の末候「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」と対になっている七十二候です。
今年も無事に終わった、という安堵とともに見上げる中秋の名月を迎え、虫の音も涼やかに聴こえます。この季節は夜風も気持ちよく、私は窓をあけて日々、変わる虫の音色に耳を澄ませながら眠りについています。
同じ虫でもなわばり宣言、呼び鳴き、求愛鳴きと変わりますので、最近のこの甘く優しい鳴き声はお相手がすぐ近くにいるからなのかしら、などと思ったりしています。気温が下がってきたことも関係しているでしょうか。
秋の月は冴え冴えと美しく、立待月、居待月と欠けていきます。暑くもなく、寒くもなく、いちばんすごしやすい季節。秋の夜長を楽しみましょう。