キジの雄が「ケーン」と鳴いた後、羽を羽ばたいて大きな音を出すことを「母衣(ほろ)うち」というそうです。
色鮮やかなオスが、この求愛行動で懸命にアピールをしても、メスはなかなか応じず、素っ気ない様子から、「けんもほろろ」という慣用句が生まれたのだとか。キジをみたことがない人でも、「いやあ、けんもほろろに断られたよ」などと知らず知らずに使っているのですから、言葉とは面白いものです
キジの雄叫びや激しい羽ばたきはオス同士の縄張り宣言でもありますので、ここにいるぞ、と自分の存在を敵に知らせるためでもあり、狩猟においては、それが仇になって、しばしば居場所を知られ命を落とすことに。
そこから「雉も鳴かずば撃たれまい」ということわざが生まれ、「不要なおしゃべりは災いを招く」という意味合いで使われています。
また「頭隠して尻隠さず」も、危険を感じたキジが草むらに隠れても長い尻尾が出ていることからできたことわざ。
鳩のキジバトや猫のキジトラも、茶色に黒の模様がキジのメスの羽に似ていることからつけられた呼び名。わがやの猫もキジトラです。
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