七十二候では「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」を迎えました。
いつも荷物をとりに来てくださる宅配便のお兄さんに「寒いですねえ」と声をかけたら、「はい、大寒ですからね!」と元気よく、お返事してくれました。寒さの中で働く方々には毎回、感謝の思いが湧いてきます。
凍土にこの好日のけふとなり 素逝
どんなに寒くても、これが自然の摂理。凍土を目にすることも、最高の好日(安らかにすごせる良い日)です。
「凍土(いてつち)」「凍てる」という季語がありますが、地下では水が動き始め、ふきのとうが顔を出し、梅も咲き出す中、日本列島はここからぐぐっと凍てついて、一年でもっとも寒い時期を迎えます。毎年、最低気温が記録されるのは「水沢腹堅」の時期になることが多いそうです。
一度、しっかりしゃがんでジャンプするかのように、春の前には必ずしびれるような険しい寒さの峠がやってくる。これが摂理です。この峠(寒さのピーク)を越えた瞬間が「立春」ということになりますが、峠を越えたあとは寒と暖の綱引きが始まり、緩んでは凍て返る、緩んでは冴返る、三寒四温を繰り返しながら、春はゆっくりやってきます。