イベント
5月・初夏の滞在プログラムが大変好評でしたので、初夏編と対になる秋編を開催することが決まりました。秋は循環の環を閉じながら次へと繋ぐ、結び目のような季節。抜けるような青空と錦繍のコントラストが美しい「天高く馬肥ゆる秋」でもあります。森を歩きながら色を採取し、堂々と肥えた高原の馬たちに会いにゆきます。秋の色、秋のデザイン、自然界を観察していると、自ずと見えてくる摂理の世界があります。「季節の色を紐解くオンライン講座」とタイアップ開催するもので、受講生の方には特別価格でご参加いただくことができます。
【日程】:2023年10月20日(金)〜2023年10月22日(日)
*集合:2023年10月20日 13時10分 JR遠野駅
*解散:2023年10月22日 14時40分 JR遠野駅
【滞在】クイーンズメドウ・カントリーハウス
【参加費】
山ノ上倶楽部会員価格 60,000円(税込)/非会員価格 90,000円(税込)
「季節と色を紐解くオンライン講座」受講生 68,000円(税込)(7月21日にオンライン講座を予定しております)
*参加費には宿泊費と食費、保険料を含みます。
*タイアップ開催のプログラムに付き、特別価格でご案内いたします。
*同性の方と同室になっていただくことになります。
*食事の準備や片付けなど、お手伝いください
ハヤチネ山ノ上倶楽部についてはこちら(入会もこちらから)
【詳細】
和暦研究家、高月美樹さんと滞在する「季節と色を紐解く・遠野の森〜晩秋」
クイーンズメドゥ・カントリーハウスは一般の宿泊施設ではなく、遠野・附馬牛の里山にある美しい広葉樹林を整備し、 「いのちを還す森」として次の世代につなぐための活動をしている場所です。 自然とともにある暮らしの体験を通して仲間をつくり、いのちの「終わり」から「今」を見つめるための実験を続けています。
秋闌(あきなたけなわ)は晩秋の季語。秋の気が満ちて、生々流転の「もののあはれ」がもっとも強く感じられる頃。たけなわという言葉は盛んな様だけでなく、終わりを意味する言葉でもあります。
秋は花野の季節。ひとつひとつは目立たない小さな花ですが、幾千、幾万のくさぐさの種が受け継がれていく壮大ないのちのめぐりこそが、秋の醍醐味。昔の人が一年の中でもっとも尊んできた季節は、「もののあはれ」をもっとも強く感じさせる晩秋でした。『真暦考』を著した本居宣長は「もののあはれとは命のはかなさや愛おしさを知ること」であり、人が生きるための基礎だと説いています。いのちにめぐりを感じる2泊3日、みなさまとご一緒できることを楽しみにしております。
どのようにいのちをつなぐのか 穂草、草の実、草の穂、草の絮。植物はじつにさまざまな形でいのちをつないでいきます。はじけ飛ぶもの、空を飛ぶもの、動物にくっつくもの、雨を待つもの。その方法はじつにさまざま。巧みないのちのシステムを観察しましょう。 実をつけてかなしき程の小草かな 虚子 実をつけても、かなしいほど小さな草たちに心を寄せ、愛しむ気持ちが湧いてきます。 四十八茶を観る 落ち葉は自然の造形美そのものであり、無限の色の宝庫です。江戸時代は奢侈禁止令によって茶色と鼠色が大流行し、のちに「四十八茶百鼠」といわれるほど豊かな色のバリエーションが生まれました。この「四十八茶」のベースになっているのは「朽葉四十八色」です。茶色のバリエーションをみてみましょう。
白は「死と再生」の象徴 陰陽五行で秋は、白を司ります。白は「死と再生」の象徴で、命の原点、生々流転の循環を表す色。神前で着る麻衣、喪服もかつてはみな白一色でした。白は無色透明な光そのもの。すべての命は光から生まれ、光に還るという感覚は昔からありました。草に宿る白露、蜘蛛の巣に並ぶ水滴。水澄む、秋光という季語もあるように水にも空にも爽やかな透明感が漂います。秋の光を探してみましょう。 馬と会い、空の色をみる
国の重要文化的景観にも指定されている荒川高原には、遠野の里で飼われている馬たちが放牧されています。10月末に放牧場は閉じてしまうので、高原にいられるのはもうあと1週間ほど。広大な高原で自由にすごす馬たちに会いにいきましょう。好きなもの同士が寄り添い合って自由に過ごす馬たちの姿、好奇心旺盛に近づいてくる馬たちもいます。馬とのノンバーバルな会話の中からも、いのちの在り方を見つめてみたいと思います。高原に広がる大きな空には、どんな雲が浮かんでいるでしょうか。