菖蒲と書いて、あやめと読むのでややこしいのですが、七十二候の「菖蒲華(あやめはなさく)」はアヤメのことです。
アヤメ科アヤメ属の花
アヤメ科アヤメ属の花は種類が多く、文目(あやめ)、燕子花(かきつばた)、花菖蒲(はなしょうぶ)、最近はジャーマンアイリスなどもよくみかけます。「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」は甲乙つけがたいことのたとえ。いちばん最初に咲くのは一初(いちはつ)で、花の基部に鶏冠状の白い突起があります。小ぶりで日陰を好む著莪(しゃが)もアヤメ科。カラフルでおおぶりなジャーマンアイリスも早く咲く品種で、黄色やオレンジのブラシ状の突起があります。
一初(いちはつ)/写真提供:高月美樹
著莪(シャガ)/写真提供:高月美樹
ジャーマンアイリス/写真提供:高月美樹
そして水辺に咲くのはカキツバタ。杜若、燕子花とも書き、咲いている場所と、紫の花の基部に一本の白筋があるのですぐに見分けがつきます。なんとも美しい紫ですね。尾形光琳の『燕子花屏風図』でよく知られるように水辺の花です。